子どもが生まれると、「もし親に何かあったら、この子の生活はどうなるだろう」と考えることがあります。保険の案内を見る機会も増え、今の契約だけで足りるのか不安になるかもしれません。
ただ、子どもが生まれたからといって、すべての家庭が同じ保険を増やす必要はありません。働き方、貯蓄、住居費、すでに加入している保険によって、備えたい金額は変わります。
最初にすることは商品選びではなく、「家族に必要なお金」と「すでに備えられているお金」を整理することです。この記事では、その順番を子育て家庭向けに分かりやすく紹介します。
保険を考える前に、何に備えたいか分けよう
ひとことで「保険」といっても、備える場面は同じではありません。たとえば、親が亡くなった後の生活費、病気やけがで医療費がかかったときの負担、働けない間の収入減などがあります。
まずは夫婦で、どの場面が心配なのかを言葉にしてみましょう。「子どもが独立するまでの生活費が心配」「治療費より、働けない間の収入が気になる」など、具体的にすると確認すべき制度や契約が見えてきます。
心配なことを全部一つの保険で解決しようとしないのがポイントです。目的を分けて考えると、すでにある保障と重なる契約も見つけやすくなります。
手順① 家族の生活費と、今ある貯蓄を確認する
最初に、毎月の生活費を大まかに確認します。住居費、食費、通信費、光熱費など、家族の生活を続けるために必要な支出を書き出しましょう。将来の教育費も気になりますが、最初から細かな予測額を決める必要はありません。
次に、現在の貯蓄のうち、急な支出や生活の変化に使えるお金を確認します。教育費として別に確保したいお金があるなら、生活費に充てられる貯蓄と分けて考えると整理しやすくなります。
共働き家庭では、どちらか一方に何かあった場合、残る人の収入だけでなく、働く時間や保育・家事の負担も変わり得ます。夫婦それぞれについて、家計への影響を考えることが大切です。
手順② 公的保障と勤務先の制度を調べる
民間の保険を考える前に、公的な制度も確認します。親が亡くなった場合には、要件を満たす遺族に遺族年金が支給される制度があります。対象になるか、どの制度に該当するかは、加入状況や家族構成などで異なります。
医療費についても、公的医療保険には高額療養費制度があります。自己負担額が高くなった場合の負担を考える際に、知っておきたい制度です。ただし、対象になる費用や自己負担の条件は確認が必要です。
さらに、勤務先によっては、団体保険や弔慰金、休職時の制度がある場合もあります。住宅ローンを利用している家庭なら、団体信用生命保険など、住居費に関係する契約内容も確認しましょう。
制度名だけを見て「これだけ受け取れる」と決めつけず、自分たちの加入状況と適用条件を確かめるところまで進めます。勤務先の担当者や公的機関の案内を使い、分からない点を一つずつ確認してください。
手順③ 今の保険を一覧にして、重なりを探す
次に、すでに加入している保険を夫婦それぞれ確認します。保険証券や契約者向けの画面を開き、少なくとも次の点を一枚のメモにまとめましょう。
- 誰が保障の対象か
- どんな場合に保険金や給付金が出るか
- 保障額と、保障が続く期間
- 毎月または毎年の保険料
- 更新時期と、更新後の条件
「保険に入っている」という記憶だけでは、子どもが生まれた後に必要な期間まで保障が続くか分かりません。反対に、同じ目的の保障が複数の契約に付いていることもあります。
勤務先で加入した保険や、以前から続けている契約も忘れずに確認します。見つからない書類があれば、契約先に内容を問い合わせましょう。
手順④ 不足する部分だけを考える
ここまで整理してから、「必要な生活費などに対して、公的保障・勤務先の制度・貯蓄・今の保険でどこまで備えられるか」を考えます。
たとえば生活費への備えが気になる家庭でも、貯蓄が十分ある場合と、これから蓄えていく場合とでは、保険に求める役割が違います。子どもの成長や働き方の変化によって、必要な保障期間も変わります。
保険を増やすかどうかは、足りない部分とその期間が見えてから判断するのが順番です。見直した結果、今の保障で足りていると分かることもあれば、特定の期間だけ備えを追加したいと分かることもあります。
保険料は毎月続く支出です。保障内容に納得できても、日々の生活費や貯蓄を圧迫する金額では続けにくくなります。家計の中で無理なく払えるかも一緒に確認しましょう。
今の保険を変える前に注意したいこと
新しい契約に入り直すことを考える場合は、現在の保険を先に解約しないよう慎重に進めてください。新しい保険には申込時の審査や告知があり、希望どおりの条件で成立するとは限りません。古い契約を解約すると、元に戻せない場合もあります。
また、保険料だけで比較すると、保障額、対象となる場合、保障期間の違いを見落とします。「何が、いつまで、どの条件で保障されるか」を新旧の契約で並べて確認しましょう。
内容が複雑で判断に迷う場合は、契約内容が分かる資料をそろえたうえで、説明を受けるのも一つの方法です。その場で加入や解約を決めず、家族で持ち帰って確認できるようにしておくと安心です。
まずはここまで。家計と保障の確認リスト
- 家族の毎月の生活費を大まかに書いた
- 生活の変化に使える貯蓄を確認した
- 夫婦それぞれに何かあった場合を考えた
- 公的保障と勤務先の制度を調べた
- 加入中の保険の保障額・期間・保険料を一覧にした
- 不足していると思う場面と期間を言葉にした
一日で全部調べなくても大丈夫です。最初の週末は、保険証券を集めて「何のための契約か」を一行ずつ書くだけでも前に進めます。
まとめ:子どもが生まれたら、まず保障の全体像を見よう
子どもが生まれたときの保険見直しは、生活費と貯蓄 → 公的保障と勤務先の制度 → 今の保険 → 不足する部分の順に考えると整理しやすくなります。
「子どもが生まれたから保険を増やす」と一律に決める必要はありません。わが家に必要な保障を、必要な期間だけ備えられているかを確かめることから始めましょう。


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